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林業をしたい!でなくてもいい。憧れた田舎暮らしの先に見つけた仕事

林業をしたい!でなくてもいい。憧れた田舎暮らしの先に見つけた仕事

「大阪にいた時よりゆっくり過ごすことができるようになりましたね」
そう話してくれたのは、本宮町森林組合で働く金戸 佑治(かねと ゆうじ)さん。
都会を離れて暮らすこと、そして、林業という仕事を選んだこと。充実した毎日を過ごされている様子が、言葉の端々から伝わってきました。

ハローワークで見つけた林業

金戸さんは現在40歳。大阪府出身で、前職では製造業に携わっていました。
夫婦で共通していたことは、アウトドアが好きだということ。月に2回はキャンプに行ったり、夢の田舎暮らしについて話をしたりしていたそうです。

そんな中、勤めていた会社が廃業し、人生の転機がやってきました。
「この際、移住する?」と冗談半分でつぶやいた金戸さんの言葉に、「いいね」という真剣な言葉が返ってきました。田舎暮らしが現実のものとして動き始めます。

大阪で開催された「移住フェア」に参加。実家から近いところをと考え、移住先は和歌山県に決めました。田舎で暮らすなら使えるようになっておいた方がいいだろうと、「わかやま林業就業サポート講習 6日間コース」でチェーンソーと仮払い機の講習を受けました。林業という仕事に触れた初めての瞬間でした。

「林業をしたい!という気持ちがスタートではなかったんですよね。ちょっと特殊かもしれません」
和歌山県に移住し、仕事を探すために訪れたハローワークで本宮町森林組合の求人を見つけたことが今の仕事につながりました。

一歩先を考えて、とにかく安全に

現在、金戸さんは本宮町森林組合の一員として、森林整備に従事しています。今は主に、山で間伐した木を重機で集め、トラックに積み込み運び出す「搬出間伐」の作業を担当しています。

「仕事を始めた頃は、作業場に行くだけで大変でした。慣れるのに、半年から1年くらいはかかりました。今でもしんどいですけどね(苦笑)」
山には整備された登山道があるわけではありません。道なき急斜面がほとんどです。休日にはランニングをするほど体を動かすことが好きな金戸さんでも、最初は体力的な厳しさを感じていたようです。

搬出間伐の作業では、まず木を伐(き)ることから始まります。

「自分が思い描いた通りに木を倒せた時に、一番達成感を感じますね」という金戸さん。
木を伐る時はどこに力がかかっているのかを考え、倒した木を玉切りする時には伐った後の木が跳ねないかを想定する。常に一歩先を考えながら作業を進めています。

「林業でどうしたいとか、自分がどうなりたいとか、目標と言えるものは正直なところ特にないんです。ケガをしないように、安全に、そのことだけを常に意識しています」
飾らない言葉が、林業に向き合う金戸さんの姿勢を伝えてくれた気がします。

楽しいと感じることの積み重ね

金戸さんにとって今の仕事、林業は、「実際にやってみて、楽しいと感じることの積み重ね」だと話してくれました。

「自然の中で仕事をするのは気持ちがいいので、外で体を動かすことが好きな方にとっては、林業は馴染みやすい職業だと思いますよ」
田舎での仕事を考える中で林業を選択肢の一つにするには、体験できる機会を得て、楽しさを見出せるかどうかを試してみては、とメッセージをくれました。

暮らしにつながった林業

大阪から移住して4年。
「奥さんはここでの暮らしを気に入っていて、僕以上に馴染んでいます(笑)」
本宮町での暮らしは、人との距離感が近く、過ごしやすいと思っているそうです。

「山の中でお弁当食べて、寝転んで休憩してる時に、この仕事を選んでよかったなって思います」
移住してからキャンプに行かなくなったと笑っていました。

自然豊かな環境、地域の人との緩やかな関わり、ゆっくりと流れる時間。
金戸さんにとってちょうどいい暮らしが、林業という仕事につながっていたのだと感じました。